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めだか村 村長
大場 幸雄
(オオバ・ユキオ)
“メダカを愛でる”という日本文化
「私が水槽に手を近づけると、ほら、メダカが寄ってくるでしょ。世話する人の足音を覚えとるんよ。大きな池で大量生産しとる所じゃ、こんなことはおきん。私にとってこいつらは“製品”じゃないんよ。子どもみたいなもんなんよ」
そう語るのは廿日市の山の中でメダカ専門店「めだかの館」を運営する大場さん。過去16年間で数十種類の新種メダカを発見・作出した実績を持ち、昨今のメダカブームの火付け役の一人でもある。2004年に大場さんが発表した「楊貴妃メダカ」は、華やかな赤色が人気を呼んで、メダカの第一次ブームを引き起こしたのだ。もともとは盆栽が本業だったという大場さん。夏場の暇な時期にもらったメダカを飼育していたら、お客さんから売って欲しいといわれ、メダカを増やし始めたそうだ。最初のうちは順調に増えていたものの、ある朝起きたら水槽のメダカが全滅…。知識がないまま飼育していたせいで大失敗したわけだが、この失敗が逆に大場さんをメダカの飼育へと駆り立てた。前述の「楊貴妃メダカ」の他に「琥珀メダカ」、「ピュアブラックメダカ」、「黄金メダカ」、「ピュアホワイトメダカ」、そして日本に1匹しかいない新種メダカ「信長」と、さまざまな新種メダカを育ててきた。その色鮮やかさに「外来種と掛け合わせたのか」と疑われたこともあったが、大場さんのメダカは全て正真正銘の日本メダカ。「うちの水槽に外来種は一匹もいない。それをしたら、メダカを愛でる日本文化ではなくなってしまう」と語る。鯉や金魚に並ぶ、癒しをもたらす日本文化として、メダカを愛でる文化を広く普及したいのだという。
web限定のおすすめ情報
日本全国に静かなブームを引き起こしているメダカですが、その潮流のひとつを生み出しているのが、「めだか村」の村長こと、大場幸雄さんです。これまでたくさんの新種メダカの作出に成功してきた大場さん。ブームがひと段落した今も、日本文化として楽しむメダカの飼育のあり方を広島県はもとより、日本全国に発信しています。興味のある方はぜひ「めだかの館」のHPをのぞいてみてください。
また、大場さんが事務局長を務める日本メダカ協会(JNA)では、メダカの普及や品種の認定、品評会なども行っています。こちらも気になる方はチェックしてみてください。
●めだかの館
(HP)http://www.medakanoyakata.jp
※癒しのメダカたちに会えるインスタもおすすめ!
(Instagram)http://www.pictaram.com/user/yukio_oba/3279439872/1459870348710523786_3279439872
●日本メダカ協会
web限定フォトギャラリー
写真撮影:吉岡早百合 / 文:寿山恵子

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