普通の人のすごい事

広島でがんばっている普通の人のすごい魅力を紹介するフリーペーパー

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vol.23表紙

vol.23
2017年
11月1日発刊
  • すごい事
  • 177
  • から
  • 184

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チューリップ株式会社
販促企画リーダー

国塩 真弓

(クニシオ・マユミ)

愛され続ける製品、伝統の技を、広島から

fs183_sub01「お嫁に行く際、トルコの花嫁さんたちはレース編み、レース刺繍を作って、持っていくんですよ。だから、彼女たちにとって、弊社のレース針、刺繍針は婚礼の必需品! お嫁入りになくてはならない道具なんです」と教えてくれたのは、広島市西区にある針メーカー、チューリップ株式会社で販促企画を担当する国塩さんだ。

意外と知られていないようだが、国内で生産される9割以上の針は広島でつくられており、その品質の高さから、日本のみならず、世界各地で愛用されている。手工芸が盛んなトルコも「広島針」を愛する国のひとつであり、冒頭のような逸話が誕生したというわけだ。

国塩さんはそんな世界に誇る広島のものづくりの現場で商品開発を担当しているのだが、針の商品開発とはいったいどういうものなのか尋ねると、次のような答えが返ってきた。

fs183_sub02「弊社では他社がやっていないことに挑戦しよう、他にはないものを創り出そうという方針のもと、これまでさまざまな商品を開発してきました。針一本にそんなに多様なニーズがあるのかと驚かれるでしょうが、手工芸の世界にはいろんなトレンドがあり、ニーズも多種多様です。たとえば私が開発に携わったビーズ針もそうした商品のひとつなんですよ」。そういって取り出されたビーズ針は、細かい作業中に曲がったり、ポキリと針が折れてしまうというビーズステッチが盛んな米国の手芸の先生の声からうまれた。

「広島針」ならではの強さとしなり、両方を兼ね備えた製品は、米国の愛好家からの支持を獲得。古くて新しい、“広島の伝統の技”を世界に向けて発信している。

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300年以上続く「広島針」の伝統を背景に、1948年に誕生したチューリップ株式会社。手芸用レース針、手縫針、かぎ針、編み針などのメーカーとして、国内外の人々に愛されてきたブランドです。

ところで皆さん、この“チューリップ”という社名、いったいどこから来ていると思いますか? 実は記事冒頭で紹介したトルコに関係しているんです。

…というのも、トルコはチューリップ株式会社が長年輸出している取引国です!  末長く愛されてほしいという思いから、トルコの国花でもある“チューリップ”をブランド名として商標権を獲得(昭和30年)し、その後、ブランド名が社名となり(昭和45年)、記事中のような逸話が誕生したわけです。

そこから約70年にわたり、広島の伝統の技を世界に発信し続けてきたのですから、「スゴイ!」のひと言に尽きます。

でも、単に優れた製品を発信するだけでは、ここまで長く愛されないし、世界のユーザーに受け入れてもらえないはず…。国塩さんのように商品開発を担う人たちがいたから、時代や地域に見合った製品を生み出すことができ、愛され続けるブランドに成長したのでしょうね。

同社の製品が「ひろしまグッドデザイン賞」や「ザ・広島ブランド」に輝いたのも、職人さんならびに国塩さんたちが知恵を絞り、汗を流してきたからこそ! 1本の針に込められた情熱に、ただ、ただ、感心するばかりです。

 

●チューリップ株式会社

広島市西区楠木町4-19-8

(tel)0120-21-1420

(HP)http://www.tulip-japan.co.jp

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写真撮影:吉岡小百合 / 文:寿山恵子

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