193
ジャズトランペット奏者
河村 貴之
(カワムラ・タカユキ)
カッコよくなければジャズじゃない!
トランペットの音色というと、どんな音色を思い浮かべるだろうか? おそらく吹奏楽でよく聞く、金管楽器らしい、晴れやかで輝かしい響きをイメージされる方が多いことだろう。実際、クラシックなどでは勇壮さや歓喜を表現するパートによく使われる楽器だが、河村さんの演奏を聴くとトランペットに対するイメージは一変する。ハスキーでありながら、それでいてどこか温もりのある音色は、不思議な心地よさで聴く人を包み込んでくれる。ジャズならではの人肌の温もりが感じられる、人間味溢れる音なのだ。
そんな音の魅力について、河村さんは「実はトランペットという楽器は一番人間に近い楽器でもあるんですよ。ご覧の通り、トランペットには3つのピストンしかないでしょう。だから音をコントロールするには運指だけでなく、唇や舌の変化、息づかいなどを使って、多彩な音色を出さなくちゃいけない。つまり、人の体が楽器の一部なわけだから、すごく人間臭い楽器とも言えるんです」と教えてくれた。
実際、同じような楽器ならトランペットよりサックスの方がよりコントロールしやすいのかもしれない。だが、それにもかかわらずマイルス・デイビスやルイ・アームストロングなどのジャズの巨匠たちが、コントロールの難しい、この楽器を愛したのはとても興味深い。
何をやってもいいというスタンスだからこそ、一瞬一瞬にクリエイティビティが求められるジャズ演奏。その一瞬を大切にしたいからこそ、河村さんはより自分の色が出るトランペットの音色を愛しているのだろう。河村さんにとって、もはやトランペットは体の一部であり、その音は肉声でもあるのだ。
web限定のおすすめ情報
カープの応援歌がジャズになった、球団公認のCD「カープジャズ」でもおなじみのジャズトランペット奏者の河村貴之さん。プロとして豊富な演奏経験を持つ河村さんにトランペットを教わってみませんか? トランペットの基礎からジャズフィーリングの出し方・理論・アドリブまで、トータルでレッスンしてくれるので、初心者はもちろん、プロを目指す方にもうれしいレッスンです。興味のある方は、「河村貴之」「レッスン」で検索してみてください!
●河村貴之トランペット教室
レッスンシステム(入会金なし)
1レッスン60分(8,000円/月2回)
※単発レッスン・出張レッスンも承ります。
(お問い合わせ)natto-blues@mx52.tiki.ne.jp
(tel)090-3880-2400
(blog)https://takauki.exblog.jp
●イベント情報
「2018ひろしまフラワーフェスティバル」
5月4日(金)17:10〜 河村貴之“Carp”Quartet
5月5日(土)16:00〜 Comin All stars
「LOTUS BLOSSOM Allstars & SESSION」
日時:5月5日(土) 開場 20:00(開演 20:30)
会場:jazzlive Comin
広島市中区薬研堀1-7 Rolling薬研堀2F
入場料:3,000円
Member:藤井政美(bs) 河村貴之(tp) ゆみゆみ(p) 山本優一郎(b) 山口圭一(ds) and more…
その他ライブ情報はこちらから
●河村貴之公式スケジュール
web限定フォトギャラリー
写真撮影:朝比奈千明 / 文:寿山恵子

広島のラジオ体操の聖地、舟入第一公園
舟入ラジオ体操会 代表
兼重 璋夫
子どもたちにとって、ラジオ体操といえば夏の風物詩。夏休みの終わりにスタンプがいっぱいになったカードを見て、喜んでいたものだが、最近では子どもたちのあいだから夏休みのラジオ体操の習慣が消えつつあるという...(続きを読む)

食べる人の心を耕し、いのちを育む料理人
耕す料理人
中土居 緑
“耕す料理人”こと、中土居さんには理想とする人がいる。それは一昨年94歳で亡くなった福祉活動家、佐藤初女さんだ。初女さんといえば“心で結ぶおにぎり”が有名だが、「食はいのち」と唱える初女さんの教えに、...(続きを読む)
※本サイト掲載の記事・写真・イラスト等の無断複写、複製、転載を禁じます。