普通の人のすごい事

広島でがんばっている普通の人のすごい魅力を紹介するフリーペーパー

関連情報

vol.26表紙

vol.26
2018年
8月1日発刊
  • すごい事
  • 201
  • から
  • 208

202

ガラス作家

藤島 孝臣

(フジシマ・タカオミ)

風と光が育んだ、森のガラスたち

fs202_sub01職人とアーティスト、どっちの肩書きで呼ばれたいですかと聞くと、藤島さんは少し笑って、「やっぱり職人かな」と答えてくれた。その理由は「作品の向こうにある使い手の顔をいつも想像していたいから」だという。いかにも彼らしいというか、そのひと言に彼の温かな人間性が凝縮されている。
そんな藤島さんが吹きガラスの道に入ったのは20代半ばの頃。大学を卒業していったん就職したものの、どうしてもモノづくりの道に進みたいという思いに駆られ、沖縄の琉球ガラスの工房にほぼ頼み込むような形で弟子入りしたそうだ。その後、独り立ちするために地元・広島へUターン。「不器用な自分は修行に10年もかかってしまった…」と照れ笑いするが、藤島さんの手からつくられるガラスには、愚直な彼だからこそ生み出せる、何とも言えない味わい深さがある。
fs202_sub02その作風について、藤島さん自身に尋ねてみると、「ガラスはとても繊細で、ちょっとした風の揺らぎや陽の差し込み方ひとつにも影響されることがあります。そんなガラスを見ていると、僕にはたまに生命を持った水のように見えてくることがあるんです。まるで生命を吹き込まれた水が収まるべき形を求めているかのような気さえしてくる…。だからガラスの気持ちを汲み取ってあげることで、自分にしかつくれない厚みや形、影だったりができるんじゃないかなと思っています」といった答えが返ってきた。
確かに彼の作品たちはガラスという無機質な素材でありながら、どこか生命を感じさせる不思議な温もりがある。光と陽光が舞う森の工房で、愚直な作家が見つけた生命の形…。モノに魂が宿る瞬間を見せてもらったような気がした。

web限定のおすすめ情報

ガラスの魅力がよくわかる体験も受付中!

取材当日も吹きガラスの製法について、始終子どものような笑顔で説明してくれた藤島さん。その温かい人柄に癒されると同時に、「ああ、この人は本当にガラスが好きなんだな」という思いがひしひしと伝わってきました。

本文でもお伝えしたように、藤島さんの作品は手づくりならではの温もりを感じさせる形がとても魅力的! さらに「和」を感じさせる柔らかな色合いや陶器のような表情を持つ個性的な作品もあり、新たなガラスの魅力を感じさせてくれます。将来は「切子以外で“日本のガラス”というものを確立させたい」という藤島さん。ゆくゆくは海外で個展を開きたいという夢もあるそうです。

そんな藤島さんの作品はフェイスブックやネットショッピングを通じて購入できますが、廿日市の工房では吹きガラス体験も受け付けているとのこと。作品だけでなく、ぜひ藤島さん自身の温かな人柄にも触れてみてください!

 

●吹きガラス工房 Fuji321

(住)広島県廿日市市原83-80
(tel)090-3790-7065
(FB)https://www.facebook.com/吹きガラス工房-Fuji321-1719039488321848/

web限定フォトギャラリー

写真撮影:吉岡早百合 / 文:寿山恵子

この記事を見た人たちはこんな記事も見ています

※本サイト掲載の記事・写真・イラスト等の無断複写、複製、転載を禁じます。