普通の人のすごい事

広島でがんばっている普通の人のすごい魅力を紹介するフリーペーパー

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vol.30表紙

vol.30
2019年
8月1日発刊
  • すごい事
  • 233
  • から
  • 240

209

SAORI 広島 塾長

たけち ようこ

(タケチ・ヨウコ)

感性の織り、さをり織り

fs209_sub01「何もかも自由でいい」というちょっと変わった理念を持つ、さをり織り。その一風変わった手織りが生まれた経緯を尋ねると、たけちさんは笑いながら、「創始者の城みさをさんが手織りを始めて間もない頃、自分の織った布にタテ糸が一本抜けていたのに気づいたそうです。織物の常識に照らせば、それはキズ物ですが、これをキズと見るか模様と見るか、見方次第で評価は180度変わります。それなら常識にとらわれず、自分の好きなようにやってみようと始めたのが、さをり織りなんですよ」とユニークな逸話を紹介してくれた。まるで金子みすゞさんの“みんなちがって、みんないい”の発想ですねと言うと、「そうなんですよ。だから、さをり織りの考え方に触れて、生きるのがラクになったという方もたくさんいらっしゃいます」と、たけちさん。実は彼女自身もかつて子育てに悩んでいた頃、そんなさをり織りに癒され、心が軽くなった一人。人それぞれの個性や感性そのものを織り上げるさをり織りを通して、「子どもたちの人生を自分のものにしてはいけないな…。彼らは彼ら、私は私の人生を生きなくては!」と思えるようになったそうだ。
fs209_sub02ちなみにたけちさんが塾長をつとめる『SAORI広島』では、障がい福祉サービスを行っており、年齢や性別、障がいの有無に関係なく、さまざまな人が同じ時間、同じ空間を共有して、一緒に手織りの世界を楽しんでいる。無心に自分を表現することで、互いに影響し合い、たくましく成長する福祉サービスの利用者さんたち。個性をつぶすからと、教えることは一切していないにも関わらず、彼らの感性豊かな作品や手の込んだ手仕事には圧倒されるばかり。あらためて人間の共感力ってすごいな…と感じ入ってしまった。

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50年ほど前、大阪で生まれた『さをり織り』は、決まりのない自由な手織りです。「お手本」もなく、「先生」もなく、そして何をどう織っても「間違い」ではない…。誰もが生まれながらに持っている「感力」を活かすために、教えるのではなく引き出す方法を重視した手織りです。今回取材に協力してくださった『SAORI広島』は、全国に10カ所ほどある直営塾のうち、一番西に位置する団体。直営塾のなかでも大阪と広島では、障がい福祉サービスが行われており、利用者さんたちの中には作家活動を展開する人もいれば、織りに関わる軽作業を手伝ったり、織りに来られたお客さまに織り方を伝える仕事をしたり、ときには講師として支援学校へ出向かれる方もいるそうです。さをり織りを通して自分を表現することが、自分で自分を育てる力にもつながっているんですね。みなさんもぜひ、この不思議な手織りの魅力に触れてみてください。「ちょっと体験してみたいな」という方のために、『SAORI広島』では気軽な体験コース(30分500円+材料費・2時間1500円+材料費)や1日コース(10時~15時 5400円+材料費 休憩1時間)なども用意しています。手仕事が好きな方はきっと癒されますよ。

 

●SAORI広島

(住)広島市西区横川新町6-8 スカイプラザシーイング内(西区区民文化センター1F)

(tel)082-532-1170

(休)月・日・祝

*ただし体験コースのみ、日曜の朝(10:00~12:00)と昼(13:00~15:00)の時間帯に行っています。(予約優先)

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写真撮影:吉岡早百合 / 文:寿山恵子

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6代目が仕掛ける、百年企業の挑戦

株式会社歴清社 代表取締役社長

久永 朋幸

「当社がたどってきたモノづくりの歴史を語ると、2ページでは語り尽くせないかも…」と、当誌の見本を見ながら冗談めかして笑う朋幸さん。それもそのはず。すでに100年以上の歴史を持つ歴清社だが、そこに至るま...(続きを読む)

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かやぶき屋根のちいさな図書室

ほたる荘プロジェクト 代表

杉川 幸太 杉川 沙織

夏には川面にホタルが舞い、秋には金色の稲穂が一面を覆い尽くす東広島・志和堀地区。日本の原風景が手つかずのまま残る同地区にはかやぶき屋根の古民家がいくつか残っているが、ここ10年でその数は5軒ほどに激減...(続きを読む)

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