普通の人のすごい事

広島でがんばっている普通の人のすごい魅力を紹介するフリーペーパー

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vol.31表紙

vol.31
2019年
12月1日発刊
  • すごい事
  • 241
  • から
  • 248

243

竹工芸作家

寺本 光希

(テラモト・ミツキ)

モノをつくる、ホンモノの手を求めて

fs243_sub01「竹細工には基本の編み方が大体6種くらいあります。さらに、そこから派生した編み方が100種類以上あって、組み合わせると無限のバリエーションが生まれます。だから、習得するのに終わりがないんですよ」と語るのは、竹原在住の若手竹工芸作家、寺本光希さんだ。もともとは横浜で生まれ育ったという寺本さんは、3年前にこのまちにやってきた移住者。高校3年生の時に偶然出会った竹細工に興味を持ち、技術を身につけるため京都の伝統工芸大学に入学し、卒業と共に竹原へ移り住んだのだ。広島県民なら竹原が竹細工で有名なことは周知の事実だが、全国的に見ると、より盛んな地域は他にもある。いったい、なぜ縁もゆかりもない竹原に移住したのかと尋ねると、「伸びしろのあるまちで可能性を追求したかったから」だと、寺本さんは言う。竹工芸作家としては、まだまだ駆け出しの自分。だからこそ、まちと一緒に成長していきたいと考えたのだ。
fs243_sub02取材中、工房での作業を拝見させてもらうと、時々調子が悪くなるという古いラジオを相棒に、小気味よい手さばきでみるみる美しい編み目の竹細工を仕上げていく寺本さん。竹細工というと、素人の私たちはどうしても編むことに目がいきがちだが、実際は竹を割り、材料を整える作業が全工程の6〜7割を占めるという。「自然が相手だから思うようにいかない」と寺本さんは言うが、「だからこそ面白い!」とも言って笑顔をのぞかせた。
そんなガンコ者の竹を扱う彼の手はいつもナマ傷だらけ。しかし、長年、竹と格闘してきた竹原の先輩職人たちの手は節くれだって、少々の傷なんかものともしない。「モノをつくる本物の手だ」と、寺本さんは敬意を込めて語った。

web限定のおすすめ情報

竹原の名産品、竹細工を気軽に体験できるのが、まちなみ保存地区の本町通り沿いにあるこの施設、「竹原まちなみ竹工房」です。こちらでは職人さんたちにアドバイスしてもらいながら、四海波かごや竹とんぼ、風ぐるまといった竹細工をつくることができます。また、職人さんの手による竹細工製品を買うこともできます。寺本さんも1週間のうち、4日ほどこちらに常駐し、体験のお手伝いをしています。もちろん、彼の手による作品も、こちらでお買い求めいただけます。

取材中、自分にしか作れないものを、作りたいと語っていた寺本さん。これまで作った作品もとてもユニークで、音楽好きの彼らしく、竹細工のギターやウクレレケースなどがあるそうです。私たちが想像する以上に、どんなものにでも細工できそうな竹。最近では地元の工務店さんの依頼で、内装にも挑戦したそうです。若い寺本さんならではの発想で、今後もいろんな分野に挑戦し、竹原のまちを盛り上げて欲しいです!

 

●竹原まちなみ竹工房

(住)広島県竹原市本町3-1-14

(営)9:30〜16:00(体験受付は〜14:30 )

(休)年末年始

(tel)0846-22-0973

web限定フォトギャラリー

写真撮影:吉岡早百合 / 文:寿山恵子

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カラダの声に耳を澄まして

ダンサー&作業療法士 (ビソアダラカ)

國本 文平

いまどき複数の肩書きは珍しくないが、ダンサーと作業療法士という異色の組み合わせは、おそらく彼だけだろう。8年前、振付家の登竜門といわれる権威あるコンクールで賞を獲得し、コンテンポラリーダンスの世界で、...(続きを読む)

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笑顔と癒しを届けるマンツーマン美容院

個室美容室の オーナースタイリスト

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